湊病院

CLOZARILクロザリルによる治療

法人トップ > 湊病院 > 診療内容 > クロザリルによる治療

クロザリル(クロザピン)とは

統合失調症の患者さんのなかには、数種類のお薬を十分な処方量で用いて治療を続けても、おつらい症状がなかなか軽減しなかったり、副作用が出てしまうために服薬の継続が難しくなってしまう方がいらっしゃいます。このような状態を「治療抵抗性統合失調症」といい、全ての統合失調症患者さんのうちの約3割がこの状態にあたるとも言われています。
クロザリルは、このような状態の患者さんに対して、世界で唯一有効性が認められているお薬であり、日本では2011年から処方可能となりました。

クロザリルの有効性と副作用

治療抵抗性統合失調症に対するクロザリルの有効性は実証されており、これまで入院を余儀なくされていた患者さんが退院や社会復帰を実現することも少なくありません。しかしながら、ごく稀に、白血球減少や心筋炎、高血糖などといった重篤な副作用が出現する恐れがあり、これらの副作用が出現した際には迅速・適切に対応できるよう、定期的な血液検査と採血当日に検査結果を得ることができる体制や、血液内科医や糖尿病内科医との連携体制を整えておく必要があるため、このお薬を処方できる医師や医療機関は登録制となっています。

当院では、精神科医と内科医とが連携し、近隣の血液内科医にも協力を得て、2013年よりこのクロザリルによる治療を行っており、県内におけるクロザリルを服用中の患者さんの3割以上が、当院で治療を受けられています(2021年7月現在)。当院では今後も、治療抵抗性統合失調症の患者さんのQOL(Quality of Life = 生活の質)の向上を、治療面から支えていきたいと考えております。

治療を受けるには

このお薬は外来治療から開始することはできません。
服薬開始に際してはまず登録施設に原則18週間以上入院し、副作用チェックのため毎週血液検査を受けることが最低条件です。問題がなければ18週以降は外来通院が可能となります。血液検査の頻度は状況により変わりますが、定期的な検査によって安全に治療が進められるように努めます。

医療機関の方へ

患者さんのご紹介をしていただく場合には、下記へ紹介状を郵送またはFAXしてください。担当医師が、外来受診や転院受け入れを検討し、対応いたします。

地域医療連携室

〒031-0813 青森県八戸市大字新井田字松山下野場7-15
TEL 0178-25-0062  
FAX 0178-25-6721

CONTENTS
↑